方位学を学ぶ上での基礎知識を書いておこう。
まずは、方位に関する用語を紹介する。
四正(旺位)
東西南北の四方位のこと。
四隅
北東、北西、南東、南西の四方位のこと。北東を艮、北西を乾、南東を巽、南西を坤と呼ぶ。
つぎに、気学特有の方位に関する考え方を理解する必要がある。
通常、8方位は、45度毎に分割されている。北の中心点から左右に22.5度ズラした領域を北と考えるのである。
しかし、気学では、30度の範囲を北として扱う。つまり、北の中心点から左右に15度ズラした領域を北とするのである。その結果、四隅の範囲が広くなり、60度となる。
おそらく、十二支方位に影響を受けたのであろう。
十二支とは、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥のことである。これを、方位に配したのが、十二支方位である。北が子、時計回りに、丑、寅、、、と配していき、南は午になる。そして、未、申、、、と配して、360度の方位が12分割される。12分割だから、一つの方位が30度になる。つまり、北の子と東の卯は、30度になる。子と卯に挟まれた、丑と寅が北東を示すわけだが、30度の領域が2つになるので、60度が北東となってもおかしくない。
ただし、このような考え方は、気学独特のものであり、古代中国や日本の江戸時代の方位学では45度の方位盤を用いていた。正確には、24山方位を利用することが多かったが、この場合、方位は均等に分割されていた。
要するに、中国で何千年も前から伝わってきた方位学の仕組みを、つい最近、(大正時代に)、変更してしまったのである。
しかし、なぜか、これが、日本では普及することになった。