家相を現代の価値観で解釈した本がある。
現代と言っても、もう何十年も前の話だが。
でも、その本は当時の人の共感を得ることができた。
つまり、家相は、実は、建築環境学的な視点から見ても、実に優れたものであるという結論を人が望んでいたと言うこと。
それは、建築主と建築家、どちらもそういった結論を望んでいたのだ。
これが、家相の歴史を真実を明らかにしたとは言えないと思う。
でも、昔の家相の中にも、現代の人間が教訓にすべき様な、風習もあったはず。
それを取り上げるのは、良いことなのだと思う。
家相の文献は家造りについての文字情報がたくさんあるからだ。
古文書には、家造りの儀式とか、大工の図面集はよくあるのだが、家造りのマニュアル的な文字情報がぎっしりと納められているのは家相書ぐらいのものだ。
家相は本来、陰陽五行説に基づいて展開されているので、住みやすさについて論じるものではない。それでも、陽の気を意識することから、それが太陽の位置を意識することにもつながる。
それって、住みよい住宅づくりにも、役に立つ見解が書かれているってことなのだと思う。